オーストラリア出身の写真家 ピーター・リク
世界中を旅してまわり、写真を撮り続ける。そんな生活に憧れを抱く人も多いかもしれません。カメラマンの道は相当に厳しいものだと言われますが、年中会社に軟禁状態で働き続けるサラリーマンより、ずっと自由な生き方という見方も出来ます。
今回、史上最高値で売買された写真を撮ったのはこちらの方。
オーストラリア生まれ、写真家として25年以上のキャリアを持つピーター・リク。主に自然を対象とした写真を撮っており、その特異な才能は「写真に魂が宿っている」とも言われている。
2014年、ピーター・リク氏は、「ファントム」という写真を売り、その金額が650万ドル(約7億7千万円)となり世界記録を達成しました。
◆その写真がこちら
何か単純な景色だけではない、不思議な力を感じるような…(貧困な表現ですみません)
これはアメリカのアリゾナ州にある世界遺産、アンテロープキャニオンという場所で撮影されたもの。この独特の形状は砂岩が何百年もの間の風と雨水によって浸食され、形成されたそうです。
◆カラーのアンテロープキャニオンの写真はこちら
息を飲むほどに美しいですね…ここには実際に人が立ち入り観光することが可能で、アメリカ南西部で最も観光客が訪れる場所になっています。名作映画127時間の撮影場所にもなりました。
何故、こんなに高く写真が売れたのか
なぜ彼は1枚の写真をこんなにも破格の値段で売ることが出来たのでしょうか。それは彼が普通の写真家とは異なる手法で自分と写真を売り込んでいったからです。
テレビ番組に自ら積極的に出演したり、ニューヨークのタイムズスクエアの巨大看板で写真の宣伝などを行い、知名度を獲得していきました。
アーティストの方は通常、あまりこういったマーケティング的手法を取り入れたがらない人が多いようです。
思い返せば、普段私たちの生活の中で芸術写真に触れる機会と言えば、書店で写真集を手に取ったり、友人に誘われるか自分で調べて写真展に行くぐらいでしょうか。能動的に動かないと、なかなか入ってきません。
しかし、芸術の価値は難しいものですね。個人の感性もありますし、こうしてインターネットで見た画像を壁紙にしたりはしますが、写真そのものに法外な値段がつくこと自体、一般的には考えられない世界です。
彼のその他の写真はこちら
エターナル・ムード
ディバインライト
これまで史上最高値だった写真はこちら
ライン川Ⅱ
アンドレアス・グルスキーの「ライン川Ⅱ」。お値段430万ドル(現在の為替で5億円以上)
何とも拍子抜け…いやっ、失礼ですね。極限までシンプルに地平線が広がっています。
ギャラリー ピーター・リク
アメリカには全部で12か所ピーターリクのギャラリーがあり、彼の写真集や、展示されている写真を購入することも出来ます。
詳細はこちら 旅行情報.jp
お金に余裕のある方はぜひ。
出典