古くから伝わる代表的な4つの心理テクニック
ドア・イン・ザ・フェイス
初めに相手が拒否するような要求を出し、思惑通り相手が拒否した所で受け入れやすい提案を行うテクニック。
営業活動においては、初めに相手が断るような見積額を提示し、そのあとに妥当な金額を提示することで要求が受け入れられやすくなります。これは実際より値段が安く感じるという「コントラストの原理」が働き、要求を拒否してしまった罪悪感から、契約してもいいかな…という譲歩を引き出す人間の「返報性の法則」を引き出したもの。
仕事ではよく「落としどころ」なんて言ったりしますね。日常的に行われています。
恋愛においては、どうしてももう1軒付き合ってほしいとき「家にこない?」「家に行ってもいい?」なんて問いかけ、断られたところで「じゃあ少しだけ飲みたいからこのお店に寄っていこう!」なんて使い方が出来るかも。
フット・イン・ザ・ドア
人間性の持つ「一貫性の原理」を利用したテクニック。人はYESと言い続けるとNOというのが不快に感じるというもの。逆もしかりで、NOと言い続けているとYESと言いづらくなる心理現象。まずは小さなお願いから行い、それに同意させることで次第に要求を高めていく。
営業マンはよく取引先の方や仲良くなりたいキーマンにペンを借りろ、なんて言われたりしますが、まさにこの法則に則ったものです。
または、不動産賃貸から旅行ツアーまで、安いプランを提示し、契約の意志がある人を引き寄せ、「埋まっちゃったんですよ~」なんて手法も日常のように行われています。一度決断したことをなかなか覆せない人の心理を利用したもので、それよりちょっと高いものを契約させるのです。
女性相手に「家でDVD見るだけ!」「寝るだけ!」なんて言ってコトに及んでしまう男性もよく使っています。要求でなくても、「寒いですね」「明るいですね」なんて日常会話の中でも使えるテクニック。なんとかして相手にYESと言わせていきましょう。
おまけの原理
あとから聞く人にとって有利(お得)な情報を出すことによって、そのものの価値を高めるというもの。通販番組などがコレに当てはまります。
「最新型のPCで、起動時間●秒!大容量メモリ!」なんて煽ったあとに「なんと更にプリンターがついてくる!そして今回だけインクまで!」といった具合です。通販番組では値段を最後に言う場合が多いですが、それもこの法則から来ています。
思っていた以上のことがあると、それを最初に知っていた時より衝撃が大きいのです。相手の認知と知覚に変化が起こるところから来ています。
日常で言えば、例えば女性とデートをしている時に自慢話が多い男性がいますが、これはよくありません。自慢できるポイントはあえて隠しておき、後で見せるのです。初めから手の内をすべて見せてしまうと、そこが一番になってしまい、それ以上がなくなってしまいます。
マイナスから入るのもアリだという恋愛テクニックにも同様の法則が起因しています。
共通の法則
自分と共通点のある人に好意を抱き、身内意識を感じるというものです。出身校や住んでいるところ、趣味が同じであることで盛り上がった経験がある方も多いと思います。また、立場を同じにするというのも有効なテクニック。例えば営業マンの場合、値引き交渉のために上司を使うなどです。
◆お客「この値段じゃちょっとな~」
◆あなた「そうですよね~僕から上司に掛け合ってみます!」
◆あなた「やっぱり僕も高いと思ったので、ハッキリと言ってみましたけど、このくらいの値引きならなんとかなるそうです…これ以上は無理だと。すみません。頭の固い上司なもので…」
◆お客「そうか~そこまでしてもらって悪いね、じゃあ…」
こんなに綺麗に行けば苦労しないんですが(笑)相手と自分だけを同じ立場に立たせ、親近感を引き出したりします。また、譲歩してもらったことで相手が断りずらくなったりしますね。
また、「俺も(私も)やってるんだけど…」と、商品の購入につなげるときに自らの体験談を含めることでお客が購入しやすくなったりします。まさにその商品を購入(使用)するお客の立場に立っている訳ですね。
女性を口説く際にも「うんうん」「そうだね」といった同意をこまめに行い、自分が相手と似ていると思わせる手法もあります。
色々なシーンで使えそうな覚えておきたいテクニックですね!