ビジネスシーンにおいて相手の目につきやすいのが「ネクタイ」です。TPOに配慮して柄や色を選ぶだけでなく、上質な素材や洗練されたデザインのものを所有したくなるもの。締めた時の立体感やディンプルの美しさも大きな差が出るものです。
女性にとっては恋人や相手に感謝を込めて贈るプレゼントでもありますね。
本記事では定番の高級ブランド「フェラガモ」、「アルマーニ」、「ブルガリ」だけではない、歴史ある名門ネクタイブランドをご紹介していきます。
購入前に確認したい、ネクタイのお手入れの基本
スーツ量販店のものに比べ、仕立てのいいブランドもののネクタイは長く愛用できるモノ。しかしネクタイは日常の着脱や通勤時の混雑、内勤時などでスレと戦う「消耗品」です。しっかりとケアしておきたいですね。
保管は「丸める」のが最も適した方法
「ネクタイ用ハンガー」も販売されていますが、日常使いのネクタイの保管として最も適しているのは「丸める」ことです。
吊るすと生地が伸びたり、ネクタイを引っ掛ける部分が傷みやすくなります。また、スーツ店のように2つに折って平置きでも大丈夫です。
1日使用したネクタイは2日ほど間隔を開けて使う方がベターです。
傷みやすいのは「外す」とき
ネクタイで特に気を付けたいのが「外し方」。ノットを引っ張り緩めてから外す人も多いですが、生地に強く負担が掛かり、毛羽立ちや痛みの原因になってしまいます。
結び目の片側をゆっくりと引き抜き、小剣(ネクタイの後ろ側)からほどいていきます。
シワ伸ばしは「スチーム」で
ネクタイのシワを伸ばしたい場合、通常のアイロンをかけると生地がテカってしまいます。スチームアイロンを軽く掛ける程度にしましょう。
ネクタイブランド
ここからはネクタイブランドをご紹介していきます。多くのブランドは百貨店をはじめ、ビームス、ユナイテッドアローズ、シップスなど大手セレクトショップのスーツコーナーのほか、バーニーズニューヨークなどドレス系のファッションアイテムに強いセレクトショップで実際に手に取ることが可能です。
E.MARINELLA NAPOLI(マリネッラ ナポリ)
ネクタイ界の頂点に君臨するのがイタリアで1914年に創業したE.MARINELLA NAPOLI(マリネッラ ナポリ)です。
品質、素材へのこだわりはもちろん、熟練職人が昔ながらの製法で仕立てており、イタリアの歴代首相など各国の要人やCEO、VIPなども愛用するブランドです。
1本あたり2万円~3万円台が主流ですので、ネクタイの中でも最も高価な部類に入ります。スーツに合う腕時計や傘など小物類全般も販売されています。東京にショールームがあります。
Tie Your Tie(タイ ユア タイ)
イタリア一の洒落者として知られるフランコ・ミヌッチ氏が創始者の、フィレンツェの洋服店が手掛ける高級・上質ネクタイの代名詞。
芯地を使わずにシルクの生地を7つ折りにして作られる、限られた職人しか作ることが出来ないセッテピエゲ製法が得意で、手縫いにより生産されています。
スカーフのような軽やかさと、ふんわりとした厚みを両立したネクタイは価格も3万円前後からと高額品です。
日本では東京と大阪に店舗があります。
Nicky (ニッキー)
こちらも1920年創業のイタリアのネクタイブランドで、ハンドメイドの生産ながら上記2ブランドに比べてリーズナブルなため、選ばれる事も多いブランドです。
色柄はベーシックなモノから、いかにもイタリアな華やかなカラーリングのものまで品ぞろえも豊富です。
価格は5千円~2万円以下が主流です。トゥモローランド、シップス、ビームス、ユナイテッドアローズなど大抵のセレクトショップのほか百貨店などで販売されています。
FRANCO BASSI (フランコバッシ)
シルクの生産地として有名なイタリアのコモで創業した、1973年スタートのネクタイブランド。
ファミリー経営を主体としたハンドメイドのネクタイ生産を行い、Vゾーンに程よい華やかさを演出してくれる明るめのカラーリングやデザインが特徴です。最新トレンドを反映させたアイテムが揃っています。こちらもビームスなどで取り扱いがあります。
Mattabisch (マタビシ)
2004年創業と比較的若いナポリのネクタイブランドで、高級紳士服のKiton(キートン)オーナーの弟であるサルヴァトーレ・パオーネ氏が創業者。
そういった背景もあり、高級生地をリーズナブルな価格で入手できるコストパフォーマンスにも非常に優れたブランドです。
ハリがあり柔らかな生地なので、ディンプルの形が綺麗に決まると評判です。
Altea (アルテア)
イタリアのミラノにて1892年にネクタイ店としてスタートした老舗ブランド。華やかなカラーリングやエレガントな印象のネクタイが揃っており、チェック、ペイズリーなどを中心とした遊び心あるネクタイが人気です。
現在ではジャケットやニットなども展開しており、総合的な紳士服ブランドとして高い知名度があります。
価格は1万3千円ほどのものが中心なので、ややお買い得感もあります。
Luigi Borrelli (ルイジボレッリ)
1957年にイタリアでシャツメーカーとしてスタートしたLuigi Borrelli (ルイジボレッリ)。
現在ではニット類やジャケット、デニムなども手掛けるトータルメーカーとして人気を獲得しているのはAltea (アルテア)と同じ。
このブランドでは裏側の中心を縫い合わせるネクタイとしては珍しい縫製法を採用しており、それにより締めやすさを獲得している事で多くのファンもいます。ナポリのブランドらしい爽やかな色合いの商品も多いので、春夏は特に要チェックです。
価格は1万8千円前後。
Earldom(アールダム)
メイドインジャパンの2大ネクタイブランドの一つが、老舗のアラ商事が展開するEarldom(アールダム)です。
欧州で発祥したネクタイの過去のアンティークモノを、日本の技術やトレンドを意識しながら再構築して展開するコレクションが人気です。
価格は9千円~1万3千円くらいなので、高級ネクタイの入り口としても最適です。ほとんどの百貨店で取り扱われています。
FAIRFAX(フェアファクス)
こちらも日本を代表するネクタイブランドです。国内セレクトショップのオリジナル商品の多くはここがOEM元として生産しています。
ふっくらとした生地感と光沢感、スーツを選ばず着用できるカラーリングやデザインバランスはまさに日本のビジネスシーンにピッタリです。
多くのモデルが9000円(税抜)なので高級ネクタイの初めの1本にも最適です。オススメは小紋柄と、春夏に爽やかなニットタイ。
Holliday & Brown(ホリデイ&ブラウン)
1926年創業の英国老舗のネクタイブランドです。このブランドは生地デザインも専門に手掛けているので、他のブランドではなかなかお目にかかれないデザインが多いのが特徴です。スーツスタイルに遊び心や他の人が身につけていないような個性を出したい方にも最適です。
実物を確認したい方は取り扱いが豊富なBEAMSへ。価格は1万7千円前後がボリュームゾーンです。
Seaward & Stearn (シーワード&スターン)
2002年イギリス創業のネクタイブランド。歴史はまだまだ浅いながら、ネクタイ製造に従事する家系に生まれた創業者がスタート。伝統的手法を取り入れ、国内の最高級素材のみを使用しすべて英国内で完結するこだわりの強いブランドです。実はイギリス製のネクタイやスーツでも、生地はイタリアのものが多かったりします。
幾何学模様など、インパクトある柄が多いのが特徴です。価格は1万8千円前後、取り扱いはバーニーズニューヨークなどで。
ATELIER F & B (アトリエF&B)
現在ではかなり貴重な、メイドインフランスにこだわるタイブランド。多くの柄は織りではなくプリントで表現されているため複雑な模様のものが多く、生地も軽いため春夏に合うものが多いのも特徴です。
上品で柔らかな色使いのものが多く、どことなく中世的なデザインです。ランバンやイブサンローランなどフランスを代表するブランドの商品も手掛けています。