革靴の種類と特徴を総まとめ!
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スーツや休日のカジュアルファッションまで、メンズのファッションに革靴は欠かせないものですが、いざ買うとなると、その種類の多さに悩んでしまうモノです。
本記事では、スーツ・カジュアルファッションを問わず、メンズの革靴の種類を総まとめしつつ、それぞれの靴のデザイン的な特徴や利用シーンに応じた選び方などを解説していきます。
厳密には、ここに挙げるものの他にも種類があるのですが、かなり細かい分類になるので、基本だけ抑えられれば問題ないでしょう。
これからスーツを着る機会が増える方や、革靴が欲しいけどどう選んでいいのか分からない方にとって、ご参考になれば幸いです。便宜上、革靴そのものの型とデザインを同一のものとして紹介しています。
(この記事は2022年8月6日に更新されました。)
まずは基本事項から。外羽根式と内羽根式
革靴と聞けば、ほとんどの方が写真のような紐付きのシューズを想像するかと思います。
これを一般的にレースアップシューズと呼びますが、このレースアップシューズには大きく分けて「外羽根式」と「内羽根式」の2種類があり、これが休日にも履きこなしやすいものか、スーツにだけ合わせておいた方が良いのか、最も印象を分ける革靴のポイントとなります。
この点は微妙な違いに思えるのですが、実はそもそも、それぞれのルーツも全く異なるんです。
外羽根式
「外羽根式」はシューレースホール(靴紐を通すところ)が靴本体に上から被さるようになっている状態の靴を指します。
シューレースホールから紐を取ると、羽根のようにヒラヒラするので「外」羽根という名称がついています。これによって靴の印象に躍動感が出るため、ややカジュアルな印象になります。
ですので、スーツ用の靴として外羽根のシューズが販売されていることはほとんどありません。
とはいえややカジュアルになるという程度なので、合わせるボトムやファッションスタイルを選ばなず活躍のシーンも多いのはこちらの外羽根タイプです。
元々は軍隊用の靴がルーツです。
内羽根式
外羽根に対して「内羽根式」は、シューレースホールが甲の部分の革と一帯になっているのがわかるかと思います。紐をほどいても、シューレースホールは靴の履き口側しか動きません。このため「内」羽根と言います。
こちらはシューズ自体に凹凸が少ないのでフォーマルな印象となり、冠婚葬祭などのシチュエーションにも対応できます。
ビジネスシューズを初めて買うなら、このシューズからスタートするのが、どんな状況にも対応できるためオススメです。
一方で、カジュアルなボトムスに合わせることも可能ですが、ややカッチリしたモード寄りな印象になります。
ルーツはスコットランドの王族が作らせた貴族靴です。
革靴を初めて買うなら?
この記事をご覧になっている方で、もし初めて革靴を購入するのであれば、以下のように選ぶのがオススメです。
スーツ用に使える靴が欲しい場合は…
「内」羽根のストレートチップシューズがおすすめです。
ストレートチップとは、上の写真の靴のように、甲の部分に線が入っているものです。フォーマルな靴で最も汎用性が高く、基本と言われるのがこのデザインです。
カジュアル用の革靴が欲しい場合は…
「外」羽根のプレーントゥシューズがおすすめです。
プレーントゥとは、甲の部分に全くデザインや装飾が施されていない靴のことです。これが一番合わせやすく、なおかつ失敗が少ない靴です。
ちなみに量販店で販売されている靴は、やや短い期間楽しむシューズになります。ですが、靴底を張り替えることができ、長年使えるシューズの中でもコストパフォーマンスが高い「ジャラン スリワヤ」というブランドもあります。
カジュアル向けだとドクターマーチンやパドローネなどが定番ですね。
Amazonは室内試着なら返品OKなので、探しに行くのが面倒な方にはオススメですよ!
革靴の種類
ここからは革靴の種類を総ざらいしていきます。スーツで使う場合は最低2足は必要になるかと思いますが、汎用性の高いものを1つ、好みのデザインのものを1つ選ぶと良いでしょう。
プレーントゥ
シューズのトゥ(つま先)に装飾が全くないのがプレーントゥシューズです。
紐靴なので内羽根、外羽根どちらもあり、カジュアル・ビジネス両面で使うことができるバランスの良いタイプです。シンプルな一方で奥が深く、革質や靴自体のフォルムの美しさが浮き彫りとなりやすくなります。
ドレスでもカジュアルでも使い回す場合、丁寧に選びたいところです。
◆ポイント: 飾り気がない分、革質や作りの良し悪しが分かりやすいのがこのタイプです。
ストレートチップ
甲の部分からつま先にかけての場所に、ストレートに切り返しの線が入ったデザインがストレートチップです。
ドレスシューズの基本で、冠婚葬祭に最も適していると言われるのがこのタイプです。
◆ポイント: スーツに合わせる革靴の最初の一足は、これにしておけば間違いなしです。
定番はリーガルですね。
ウイングチップ
甲の部分からつま先にかけての場所に、W(ウイング)に切り替えが入ったのがウイングチップです。
つま先の模様は「メダリオン」と言い、穴1つ1つは「ブローグ」と呼びます。ウイングチップでブローグやメダリオンがないタイプは珍しいです。「メダリオンシューズ」、「ブローグシューズ」といった呼ばれ方もします。
クラシックで渋い雰囲気が出るので、ヒゲやパーマが似合う方にオススメです。そういった方がローファーを合わせると、逆に少し軽い感じになってしまうかもしれません。
◆ポイント: 起毛素材やチェック柄などと合わせ、スーツや着こなしにクラシカルな雰囲気を出したい時に最適です。
ブランドではイギリスのチャーチ、チーニー、トリッカーズなどがウイングチップの靴が多いです。
サドル
靴中央の靴紐を通す付近にかけて、馬の鞍(サドル)のように革を切り返したのがサドルシューズです。
ストレートチップやプレーントゥで切り返した、革も同色のシンプルなものもありますが、写真右のように、この部分だけ素材や革の色を変えたデザインが多く、遊びの入ったやや上級者向けの靴です。
◆ポイント: 革靴の中では比較的カジュアルなタイプで、合わせるファッションを選びません。靴全体がポッテリしたフォルムのものが多いです。
Uチップ(Vチップ)
原則的にベーシックなフォルムで、靴の甲の部分がU字かV字に切り替えられているのがこちらの靴です。ビジネスシューズとしてはカジュアルな部類ですが、合わせやすく汎用性の高い靴と言えるでしょう。
V字に近くなるほど、つま先もシャープになり、ドレッシーな印象になります。最近ではUの方が人気だと思います。合わせやすいのに、こなれた感じが出ます。
◆ポイント: Uチップはオンでもオフでも使いやすく、一足で様々なシーンに対応します。
シングルモンク
元々修道士が履いていた靴をルーツとするのがモンクシューズです。
ベルトと金属製のバックルで、シューズのフィット感を調整します。トゥが丸みを帯びていて、飾り気のない写真のようなタイプが最も一般的です。ブーツになっているタイプもあります。
足に馴染んでくると、ストラップを外さずスリップオンのように履くことができ、紐の煩わしさもないので使い勝手がかなり良い靴です。
◆ポイント: オンオフを問わず、革靴の中でも使い勝手は随一。プレーントゥやストレートチップの次の一足にオススメです。
ダブルモンク
ベルトと金属バックルがダブルになったモンクシューズです。
シングルより華やかな印象になります。スラックスのほか、ジーンズにも相性が良いのでオンオフ問わず大活躍できるでしょう。最初にデザインしたのは、かの有名なイギリス靴ブランドの「ジョン・ロブ」です。
スーツに合わせられる靴の中では最もカジュアルと言えます。
◆ポイント: シングルモンクより華やかでドレッシー、ややカジュアルな印象になります。
ジーンズなどと合わせ、休日履くならシングルモンクよりこちらのダブルモンクの方が、よりオススメです。
ホールカット
革のつなぎ目がかかと部分にしか見えず、1枚革でできているのがホールカットシューズです。
飾り気が一切ない、という点では最もドレッシーな靴と言えますが、逆に目立つためフォーマルかカジュアルか位置づけが難しく、その分面白い靴と言えるでしょう。
革質の良し悪しや製造技術が問われるため、靴メーカーとしても自信を持っていないと販売できない靴と言われています。
◆ポイント: スーツ・カジュアルどちらにおいても、洗練された着こなしが求められます。
タキシードに合わせてもかっこいいでしょう。
ローファー
スリッパのように履ける靴であることから、「怠け者」を意味する名称がついたのがローファーの由来です。
コインを挟めるストラップがついているので、コインローファー、ペニーローファーなどとも呼ばれます。
夏のスーツスタイルやジャケパンなどに合わせるのが定番の着こなし方です。カジュアルファッションでは、パンツのデザインや太さを選ばずマッチします。
◆ポイント: 軽快な夏のシーズンに活躍するシューズ。ビジネス・カジュアル両面で使えるのでコストパフォーマンスが高いです。
ビットローファー
ローファーの上に馬具を模した金属をあしらったのがビットローファーで、この金属で高級感を出そうとGUCCI(グッチ)が最初に発表したのが始まりです。
基本的にはカジュアルなアイテムなので、スーツに合わせている人はほとんど見かけないですね。
◆ポイント: カジュアル着に合わせるアイテムです。高級感を逆手にとり、古着と合わせたりするのもGOODです。
金属の部分が目立つので、あまりに安いものを買う場合は、注意が必要かもしれません。