短期出張から長期の海外渡航まで、旅行時に必ず必要になるのがキャリーバッグ(スーツケース)です。
一見、どれも同じに見えてしまうので、レンタルで十分、最低限使えれば十分、という方もいれば、ファッションと同じく、納得したものを購入して長く愛用したい、という方もいらっしゃるかと思います。
本記事では、キャリーバッグの基礎知識から選び方、定番&高級ブランドまで、まとめてピックアップします。意外に奥が深くて、1個買っても、必要ないのに2個目、3個目が欲しくなるんです…。
キャリーバッグの選び方(基礎知識)
渡航予定に合ったサイズを選ぶ
短期の出張や旅行であれば、基本的には機内持ち込みの可能なサイズのキャリーバッグを選ぶのが無難です。特に海外の空港では、キャリーバッグの扱いが雑なことが多いため、預け入れることで破損や大きな傷ができてしまう…という可能性も。
その点、機内持ち込みであれば、家を出てから渡航先まで、自分で管理できるので非常に安心です。また、渡航先の空港に到着してから荷物を受け取る手間を省けるのも大きなメリットです。
出典:http://www.backpackerguide.nz/
機内持ち込み可能なサイズと荷物重量
- 航空機が100席以上の場合
① たて・横・幅の3辺の合計が115cm以内(かつ、各辺が55cm×40cm×25cm以内)
② 総重量が10kg以内
- 航空機が100席未満の場合
① たて・横・幅の3辺の合計が100cm以内(かつ、各辺が45cm×35cm×20cm以内)
② 総重量が10kg以内
※重量の制限等、一部例外もある(LCCでは7kg以内の場合も)ので、必ず搭乗予定の航空会社で予め確認しておきましょう。
⇒機内持ち込みタイプのキャリーバッグを買う場合、小物をすぐに取り出せるよう、ポケットが外側に付属したタイプがオススメです。
キャリーバッグの容量の目安
短期渡航であれば、機内持ち込み可能なキャリーバッグを選ぶのも一つの手ではありますが、大は小を兼ねるという言葉もあるとおり、将来、もっと長期の旅行や滞在があるかも知れません。購入の際は、自分の今後の数年くらいのライフスタイルに合ったサイズを選ぶのも良いかもしれません。
宿泊数とキャリーバッグの容量の目安は下記のとおりです。
- 1~2泊 : ~40L
- 3~4泊 : 45L~59L
- 5日間~1週間 : 60L~74L
- 1週間~10日間 : 75L~84L
- 10日間~2週間 : 85L~94L
- 2週間~ : 95L~
一方、キャリーバッグが大きすぎると、航空会社から超過料金を請求されることがあります。機内持ち込み、預け入れ荷物ともに、各航空会社で規定が異なり、たびたび許容量も変化するので、特に「ちょっと多いかも」と思われる方は、最新情報を調べたり直接問い合わせすることをオススメします。目安としては超過するごとにだいたい1万円~2万円程度です。
キャリーバッグの種類
快適に旅行や出張を過ごすために考慮したいのが、それぞれ特徴を備えたキャリーバッグの種類。
本記事ではこれを、以下の4タイプに分けてご紹介します。
- ハードタイプ
- ソフトタイプ1
- ソフトタイプ2
- マチ広タイプ
1.ハードタイプ
一般的なキャリーバッグでイメージされるこちらのタイプ。
多くはポリカーボネイトなどの素材でできており、衝撃に強く、荷物を保護する能力が高いのが特徴です。より硬いアルミなどの材質になればなるほど、保護能力も高くなると同時に、高級感のある質感になる傾向があります。
出典:https://www.gittigidiyor.com/
ソフトタイプ1
ポリエステルやレザーなどでできたキャリーバッグのタイプです。
外側にポケットが付属することが多く、保護能力よりも利便性を追求していることが多いのが特徴です。一方でハードタイプよりは衝撃に弱く、機内持ち込みの許容範囲内で作られたものが大半です。
出典:https://www.amazon.co.jp/
ソフトタイプ2
スポーツタイプのドラムバッグや、バックパックにそのままキャスターが付属したようなキャリーバッグです。
こちらも外側にポケットが付属するなど、利便性が高い一方で、「2.ソフトタイプ1」よりもさらに衝撃に弱くなります。メリットとしては、軽量かつ荷物がない時に小さく畳めることから、場所を取らないという面を持ち合わせることが多いです。
出典:https://www.amazon.co.jp/
マチ広タイプ
キャリーバッグのマチに十分な長さがあるタイプのことです。
マチが広いことで、縦と横の長さがそれほどなくても大容量を収納できる(=航空会社の超過料金となるサイズを回避できることも)ほか、ヘルメット、特殊な機材、置物など、通常のスーツケースでは収納できないものを持ち運べるのもメリットのひとつと言えます。
出典:https://www.amazon.co.jp/
TSAロックの有無
出典:http://www.suitcase-mania.net/
預け入れ荷物のチェックが特に厳しいアメリカ(グアムやサイパン、ハワイ含む)では、米国連邦航空省運輸保安局(TSA)が、乗客の許可なくキャリーバッグを開ける場合があります。
このため一般的には、スーツケースは開錠したままにしなければなりませんが、万が一施錠したままの場合、鍵やキャリーバッグ自体を破損させて中身を調べることになります。これを回避できるのが特殊ツールを使用して開錠できる「TSAロック」で、スーツケースを施錠したまま検査に出すことが可能になります。
直近でアメリカへの渡航がないとしても、TSAロックがあると便利でしょう。
一方で、TSAロックがなくても別売りでバンドタイプ、南京錠タイプの販売も行われています。上で紹介した「3.ソフトタイプ2」のキャリーバッグの場合も基本的にTSAロックがないので、南京錠タイプなどを購入しておくと便利です。
おすすめのキャリーバッグブランドまとめ
ここからはキャリーバッグのおすすめブランドをご紹介していきます。
American Tourister(アメリカンツーリスター)
出典:http://www.americantourister.jp/
機能的で豊富なカラーバリエーションが人気の、1933年アメリカ生まれのキャリーバッグおよびビジネスバッグブランドです。
ハードケースを中心として、ミニマルなデザインやPOPなカラーリングのキャリーバッグが揃い、創業80年以上を誇る歴史に裏打ちされた十分な品質も魅力。同じくキャリーバッグの世界的ブランドであるサムソナイト社の子会社として、よりリーズナブルな商品展開を行っています。
キャリーバッグはどこが作っているのかよくわからないノーブランドものも多いですが、キャスターが壊れたりなんてことも多いので、しっかりとした品質の、このあたりの価格帯から選ぶのがオススメです。
Herschel Supply(ハーシェル サプライ)
出典:https://herschel.jp/
2010年にカナダのバンクーバーで創業した、バックパックを中心として、シンプルかつスタイルを選ばないバッグ作りで人気のブランドです。
若者からセレブまで愛用する普遍的なデザインが魅力のハーシェルでは、「TRADE LUGGAGE」と題してシンプルなデザインのキャリーバッグを展開。リュックなどによく見られる、ものを引っ掛けるための「||」が施されているのもこのブランドならでは。縦長のシルエットも他にあまりなく魅力あるデザインです。
ハードタイプのほか、ソフトタイプの展開も豊富。カラーバリエーションの豊富さが嬉しいですね。
出典:https://herschel.jp/
EASTPAK(イーストパック)
出典:https://www.amazon.co.jp/
EASTPAK(イーストパック)は1960年にアメリカで創業したバッグブランドです。
コーデュラなどのタフな素材を初めてリュックに採用し、そのコストパフォーマンスの高さから学生を中心に高い人気を誇ったほか、軍隊向けのナップザックやダッフルバッグなども制作してきた由緒あるこのブランド。
一般的にデザインバリエーションが少ないキャリーバッグにおいて、奇抜なプリントやカラーリングがあるのも特徴です。写真上のタイプで容量75L。
出典:https://www.amazon.co.jp/
こちらは発泡体とファブリックを合成させた特殊な素材をボディに採用した、ハイブリッドタイプのキャリーバッグ。容量32Lで1泊~2泊用です。
CRASH BAGGAGE(クラッシュバゲッジ)
出典:https://crashbaggage.jp/
キャリーバッグといえば雑に扱われ、傷やヘコミ、汚れがつくもの…そんなデメリットを見事に逆手に取ったのがイタリア・ヴェネチア生まれのデザイナーであるフランチェスコ・パヴィアがスタートしたラゲッジブランド「CRASH BAGGAGE(クラッシュバゲッジ)」。
出典:https://crashbaggage.jp/
加工の絶妙さにより、凹みがありながらあくまでデザインだとわかるのも巧いところ。ドレスウェア、ストリートウェアなど、ファッションにこだわりのある方に特にオススメのデザインですね。
コンサバティブなデザインが多いキャリーバッグの中で唯一「遊び」があるブランドだといえるでしょう。
Samsonite(サムソナイト)
出典:https://www.samsonite.co.jp/
言わずと知れたキャリーバッグ(スーツケース)界のトップブランド。
1910年にアメリカで創業し、その歴史は100年以上。激しい衝撃や摩耗にも耐えうる強靭な耐久性が売りで、60年代から世界トップブランドに君臨し続けています。現在はイギリスに本社を構え、ファッションブランドとのコラボレーションやトラベルバッグのOEMなども手掛けています。
超軽量から大容量、また個性的なデザインやハイエンドライン等、様々なモデルがあるので、選ぶのに正直迷います。もちろんサイトを眺めているだけでも楽しいです。
innovator (イノベーター)
出典:https://www.amazon.co.jp/
北欧スウェーデン生まれのライフスタイル・ブランド。
スウェーデン国旗をイメージしたキャリーバッグが人気商品で、LOFTなど雑貨店の定番商品です。クロスの部分がボディと同色のよりシンプルなデザインのタイプ、カラーリングが異なりノルウェー、フィンランドの国旗風のデザインもあります。
元々は1969年にデンマークで開催された家具フェアで出店したチェアからスタートし、シンプルなプロダクトと耐久性や機能性など、合理的なモノ作りへの評価が高いブランドです。
Proteca(プロテカ)
出典:https://store.ace.jp/
国内スーツケースのトップブランド、ACE(エース)社が提供する日本製キャリーバッグのオリジナルブランドです。
高い品質と日本らしい細かな部分への配慮が行き届いた作りが魅力的。たてよこ360度、どこからでも開けられる便利なスーツケース「360T」が人気商品。
出典:https://store.ace.jp/
出典:https://store.ace.jp/
縦と横、どこからでも開けることができますし、立てた状態のままでも中身が取り出せるポケットレイアウトになっているのも嬉しいポイントのひとつです。
利便性は間違いなくナンバーワンなのではないでしょうか。
MILESTO(ミレスト)
MILESTO(ミレスト)は国内で人気のライフスタイル雑貨を手がけるイデア・インターナショナルのオリジナルブランド。
「”毎日を旅するように暮らす”大人たちへ心地良い旅支度を提案する」本ブランドでは、軽妙洒脱なトラベルアイテムを中心に提供し続けています。
ブランド10周年を記念して数量限定で生産された、大胆にもスケルトンボディの「MILESTO UTILITY」の「10TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION」にも注目が集まっています。ポリカーボネート製の本体に、TSAロックや静音キャスター等、機能も充実しており、スタイリッシュな小旅行が楽しめそうです。
TIMEVOYAGER(タイムヴォイジャー)
出典:http://www.timevoyager.jp/
新潟・長岡市の包装紙メーカー「安達紙器工業」が展開する、木材パルプ由来の自然素材「バルカナイズド・ファイバー」を使用したキャリーバッグブランド。このデザインや紙由来の素材と、多くの点でイギリスの「グローブトロッター」と共通点があります。
出典:http://www.timevoyager.jp/
グローブトロッターと比べ、4輪キャスターで使い勝手がよく、ほとんどの商品が機内持ち込み可能なサイズです。手作業によって作られるディティールは、同ブランド所有者でも満足できるクオリティで、特徴的なスケートボードのトラック&ウィールを採用し、滑らかな機動力も魅力のひとつといえます。
▼「Premium Ⅱ」には小物が収納できる小物蓋も。クオリティはかなり高いです。
出典:http://www.timevoyager.jp/
http://www.timevoyager.jp/standard2.html
▼「Premium Ⅰ」には小物専用蓋がないですが、スッキリしていますね。
BRIEFING(ブリーフィング)
出典:https://www.briefing-usa.com/
1998年にアメリカでスタートし、ミル・スペックに準拠した本格仕様の耐久性、マルチポケットなどの機能的なディティールがありながらタウンユースにも活用できる、本格バッグブランド。
最近はハードタイプのキャリーケースが主流です。
TUMI(トゥミ)
出典:https://www.tumi.co.jp/
1975年にアメリカで操業され、BRIEFING(ブリーフィング)と同じくミルスペックの高い耐久性と利便性で双璧をなすブランド。
デザインとしてはこちらのほうがよりシックで、特に写真上の同ブランド初のアルミ製ケース19 DEGREE ALUMINUM(19 ディグリー アルミニウム/55L¥132,000)は要チェック商品です。
MONTBLANC(モンブラン)
出典:https://www.montblanc.com/ja-jp/
ドイツ発祥の筆記具メーカーであり、万年筆が世界的に人気のMONTBLANC(モンブラン)もキャリーバッグを展開しています。現在はスイスを拠点とするリシュモングループの傘下で、MONTBLANC(モンブラン)は社名ではなくあくまでブランド名です。
キャリーバッグはポリカーボネート製のブラック、ネイビーのシンプルなカラーパターンで、ブランド定番の星形マークが目印。ホイールケースにアルミニウムのトリムを採用し、衝撃からキャスターの破損を防ぐ作り。
最もリーズナブルな機内持ち込みタイプ(容量:37L)で¥68,200。
BURTON(バートン)
出典:https://www.amazon.co.jp/
ウィンタースポーツ関連のウェアが定番のBURTON(バートン)はソフトタイプのスポーツ利用に便利なキャリーバッグが豊富です。荷物が整理しやすい仕切りポケットの配置やTSAロック対応もBURTON(バートン)の魅力のひとつです。
現在も続いている日本のストリートウェアブランド、NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)とのコラボレーションでは以前、キャリーバッグも展開していました。今後についても期待しましょう。
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