キャプテン・フィリップス(2013)
◆あらすじ
2009年に実際に起こった、「マースク・アラバマ号事件」を題材にしたノンフィクションドキュメンタリー映画。アメリカ人船長とソマリア海賊の対峙を描く。
◆単純に敵は敵、ではなく海賊側もしっかり描けている。
とある映画監督が昔インタビューで答えていたのですが、「面白い映画には悪役にもストーリーがある」という言葉が正にピッタリです。主人公はトム・ハンクス演じるアメリカ人船長ですが、生活の為に船を襲わなければならないという貧民国ソマリアの実情と、海賊行為をしなければならないソマリア人の心情がよく描かれています。実話を基にしているだけあって、とても現実的で、ある種救いがない話のようにも思えます。ただ、同じ境遇でも頑張っているソマリアの人たちは沢山いるはずで、海賊行為に手を染めてしまう事にまったく同情も感情移入もありません。きちんと描くことで生まれるリアリティ、自分が横で体験しているかのような感覚は痺れます。航海士として優秀な船長の船の扱い方にも注目。全編緊張しっぱなしです!
オススメ度 ★★★★★
スラムドッグミリオネア(2008)
◆あらすじ
スラムで育った少年が大人になり、人気テレビ番組のクイズミリオネアで勝ち進む。過去の出来事を追体験する形でストーリーが展開する。
◆説明するまでもない名作
多くの方が今まで一番面白かった映画としてオススメする名作。鬼才ダニーボイル監督の映画は映像や演出がとても素晴らしい。多くを語る必要のない映画なので割愛します。
オススメ度 ★★★★★
ガガーリン 世界を変えた108分
◆あらすじ
ユーリー・ガガーリン(ヤロスラフ・ザルニン)は、3,000人を超える空軍パイロットの中から宇宙飛行士に選ばれ、1961年4月12日、ソ連製宇宙船ボストーク1号に乗り込み、人類初の有人宇宙飛行に挑む。
◆人類史上初の宇宙飛行を実録ドラマ化
1961年に人類史上初の有人宇宙飛行を成し遂げたロシア軍のユーリー・ガガーリンの人生を描く伝記ドラマです。
一般家庭にテレビすら普及しきっていない時代に宇宙に行くという行為は、死ぬことを覚悟することとほぼ同等でした。
彼にはどんな人生があり、どのような思いで宇宙へ旅立ったのか。是非その目でご覧ください。
DVD情報は公式フェイスブック等で。
ゼロダークサーティー(2012)
◆あらすじ
アメリカ軍は、911事件の首謀者とされるウサマビンラディンと国際テロ組織アルカイダを追っていた。若き女性CIA分析官マヤは、様々な困難に直面しながら、テロ組織を追い詰める。
◆アカデミー賞受賞『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督作品
『ハート・ロッカー』で一世を風靡したキャスリン監督の戦争ドキュメンタリー。アメリカの911は2001年当時世界に衝撃を与えましたが、同時にアルカイダという国際テロ組織と指導者ビンラディンの名前を一躍有名にしました。この映画の製作のきっかけは、アメリカ政府による一連のビンラディン事件の情報公開が解禁されたことによるものです。機密性が非常に高い情報は何年もの時を経て開示され、実写映画化を以て一般の方でもその真実を知ることが出来るようになりました。もちろん、アメリカ側の情報公開を基に制作されているため、かならずしも真実通りかはわかりません。ただ、圧倒的なリアリティ、全編通じて徹底してシリアスな展開と、テンポのいい展開で飽きずにドキドキしながら楽しめます。
オススメ度 ★★★★☆
アムステルダム・ウェイステッド(1998)
◆あらすじ
自由の街アムステルダムにやってきたカップルを描く荒んで救いようがないけど面白い青春ドラマ
◆自由って?制度って?ドラッグと日常を共にする人たち
大麻が合法化されたアムステルダムを舞台にした、若者の日常を題材にした作品。オランダってとても先進的な国なんですね。大麻OK、安楽死OK、同性婚も…どれもきちんと理由があって、単純に「ダメ!」ってお国の都合で規制している訳ではないんです。内容ですが、DJを目指す若者がドラッグの取引をしたり、元締めを欺こうとしたり…全編刺激的な描写で新鮮です。日本ではありえない日常を垣間見ることが出来ますし、テンポがいいので飽きさせません。フィクションですが、日常の中にとんでもない非日常が潜んでいるってことが、よく分かります。
バーチャル・ドラッグ・フィルムとしても有名なちょっとアングラな映画。
オススメ度 ★★★★☆
アクトオブキリング(2012)
◆あらすじ
1960年代にインドネシアで起きた大量虐殺事件を加害者側の視点で描いたドキュメンタリー。なんと100万人以上の大量虐殺を行っていた人物は国民的英雄として崇拝されていた…
◆かつて見たことがないテーマ
大量虐殺の加害者に、実際に事件を再現し演じさせるという、前代未聞の試みが行われたこの映画。過去行ったことをもう一度行うと加害者に何が起こるのか…そう、明確な変化が起こります。おそろしくて、超現実的。というか張本人ですから。。是非その展開を自分の目で確かめてみて下さい。個人的にはマツ〇・デラックス似の方がずっと気になってしまいました。。
オススメ度 ★★★★★
ダーウィンの悪夢(2004)
◆あらすじ
東アフリカのとある湖に繁殖したナイルパーチを巡り、タンザニア・ヨーロッパ・日本まで巻き込んだ社会の闇を深くえぐっていく。
◆ポルシェのディーラーは、新車のポルシェを買えるのか?
すみません、映画とは直接関係ないのですが、最近思った事です。同じく宝石を売っている販売員は、その宝石を買えるの?素朴な疑問と、仕事内容は必ずしもその人の経済状況や社会的地位、影響度が反映されているものではないなあと。この映画は、今日の「グローバル経済」が引き起こす先進国と途上国の現実を映し出した名作です。普段私たちの食卓に並ぶ加工されたお魚。それらを捕獲し、輸出する国の人たちは、残飯を食べ、ゴミをあさり、売春やエイズに苦しんでいたりします。そういった社会の問題に深く向き合うというのは別の問題として、この映画はなんだかゾクっとしたものを感じます。とても面白いです。ドキュメンタリーなので淡々と進行します。苦手な人も多いかも。
オススメ度 ★★★★☆
それでもボクはやってない(2006)
フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、通勤ラッシュの電車で女子中学生から「痴漢したでしょ」と訴えられてしまい、「ボクはやってない!」という訴えもむなしく、そのまま警察に連行されてしまう。
その日から、留置所暮らしを余儀なくされた金子の無実を訴える戦いが始まった。
◆非常に細かく取材されたのがわかる
『Shall We ダンス?』の周防正行監督が、11年ぶりにメガホンを取った本格的な社会派ドラマ。実に3年以上裁判について調べつくした監督の、日本の司法制度に対するやり場のない怒りが込められているようにも感じた。
冒頭から、日常どこにでもいそうな何気ない青年が痴漢に間違われたらどうなるのか。とてもリアリティにあふれる描写で描かれています。
法律や裁判に関する豆知識も習得できるので安心。有罪率99%の痴漢裁判にどう立ち向かうのか、見ものです。
裁判制度に興味を持った方はこちら→裁判傍聴手順と体験記
オススメ度 ★★★★☆
シッコ(2007)
▼あらすじ
ドキュメンタリー監督マイケル・ムーアが、4700万人の無保険者だけではなく、保険料を支払っている数百人にもマイナスの影響を及ぼすアメリカの医療システムの実態を明らかにする。
▼深刻なアメリカの医療問題に切り込んだ名作
「ボーリングフォーコロンバイン」「華氏911」など数々のドキュメンタリー映画で世の中に警鐘を鳴らしてきたマイケル・ムーア監督の名作。
近藤春菜…じゃなくてムーア監督の最大の持ち味である苦しむ人たちの立場に立った制度に対する鋭い切り口はさすがの一言。
物事の考え方の参考にもなります。救急車に乗っただけで1000ドル(約12万円)も取られるアメリカの医療制度の問題点も根深い。
保険会社から政治家への大量の政治献金による政策誘導など、自由の国って結局なに?と思わされる。
人の命は自分のものじゃなくて、保険会社や政治家のものなのか?という怒りもこみ上げてきそうな作品。
オススメ度 ★★★★☆
フード・インク(2008)
◆あらすじ
アメリカの食品産業の問題点に切り込んだフード・ドキュメンタリー映画。遺伝子組み換え作物、大量に使用される農薬などの問題点をあぶりだしている。
◆マック、ペヤング、話題の食品業界の裏側
日本でも最近はマクドナルドやペヤングの異物混入事件が世間を騒がせていますね。こうして大きく報道されることで改めて問題が浮き彫りとなり発覚しているだけであって、過去からもっと多くの事例があった事だと思います。ちょっと古いですが、こちらもアメリカの食品業界を深くえぐった作品となっています。最近でもドローンを使って農場(食品加工場?)を記録に収めた映像が話題になりました。対象生産、大量消費について一度考えてみるのはいかがでしょうか。
オススメ度 ★★★☆☆
その他のドキュメンタリー映画
ソーシャル・ネットワーク ★★★★★★ 説明するまでもないほどの超名作。
ホテル・ルワンダ ★★★★☆
英国王のスピーチ ★★★☆☆
リンカーン ★★★☆☆
アルゴ ★★★☆☆
The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 ★★★☆☆
セルピコ ★★★☆☆