1982年生まれのイギリスの俳優『エディ・レッドメイン』。
映画「レ・ミゼラブル」でブレイクした後、2015年・2016年と2年連続で英国版GQのベストドレッサーを受賞するなど、大活躍中の英国人ですよね。
このベストドレッサーはインターナショナル、ビジネスマン、業界人、インスタグラム、英国部門といくつかの部門に分けられそれぞれの受賞者が発表されるものですが、特にエディ・レッドメインに注目してみると、やはりスーツを華麗に着こなしていることが分かります。
そこで、本記事では英国式スーツの着こなしや他国との比較などを解説していければと思います。
英国式スーツの特徴
「英国式」「イタリア式」「アメリカ式」の3種類のスーツ
出典:GQ JAPAN
スーツは大きく分けて「英国式」「イタリア式」「アメリカ式」の3種類に分類されます。
そのほか、英国とイタリアの中間がフランスのスーツ、英国より更に重厚なドイツのスーツ(ヒューゴボスなど)も世界的にはメジャーです。
なかでも英国スーツの特徴を端的に表すと「タイト」、「縦長」、「重量感」というキーワードが挙げられます。写真はバーバリーのモデルを務めるエディ・レッドメインです。
写真からわかるように、肩から袖までピッタリと吸い付くように身体にフィットしており、肩パットも割と厚く、タイは細め、モノトーンで重量感・重厚感を感じます。
彼は童顔の部類かと思いますが、日本のサラリーマンのようなビシッとした雰囲気が出ますね。
英国式スーツの具体的な特徴・与える印象
出典:AliExpress
こちらも英国的スーツの代表的なスタイルです。
- 肩から袖にかけて吸い付く様な細身のシルエット
- モノトーンカラー
- ウエストがしっかりシェイプされている
- ラペルが細い
- 第1ボタンの位置が高い
- 全体的に「角ばった」シルエット
- ジャケットの右側にポケットが2つ(スーツを着ながら乗馬などを楽しんだ名残)
こうした特徴から、英国式スーツはスマートで知的、真面目などの印象を与えます。
もともとスーツの発祥はイギリスで、日本の「背広」もイギリス・ロンドンの仕立て街「サヴィル・ロウ」から来ていると言われています。上流階級が美しく、過度な装飾を抑えて着こなす文化があります。
また一般的には、英国スーツのブランドの方がイタリアものより生地の密度が濃く丈夫である、とも言われています。これは英国の代表的な素材ハリスツイードからわかるように、湿気や雨の多い気候も関係しています。
こういった特徴から英国式スーツは日本のビジネスマンやビジネスシーンにマッチする一方、ボタン位置の高さやシェイプ感からスタイルがモロに出てしまいがち、という着こなしの注意点があります。
イタリアスーツとの違い
英国式スーツに対して、イタリアスーツはラペルが太め&細め、自由なカラーリング、ジャケットはダブル、シングル、3つボタン、2つボタンなど、トレンドが頻繁に変化します。
イタリアスーツももちろん、ウエストのシェイプやセクシーなシルエットは意識していますが、英国式スーツと異なり生地感が柔らかく、身体に自然とフィットするイメージです。
自由なデザインが多い一方、トレンドに左右されやすいのも特徴です。日本で最近人気なのは英国式よりイタリア式でしょうか。
出典:大人になれる本
ちなみにイギリスの紳士のイメージが強い「007」のジェームズ・ボンドですが、劇中で着ているスーツは英国風に仕立てた「トムフォード」、「ブリオーニ」のスーツです。それぞれアメリカとイタリアのブランドで英国スーツブランドではありません。このあたりはブランドの広告宣伝費用なども影響しているかもしれませんね。
とは言え、無地やグレンチェックなどシンプルな装いをサラっとスマートに着こなす、英国のクラシックスタイルは普遍的な魅力があるでしょう!
流行り廃りがなく生地感も丈夫、長く愛用できるのがイギリス式スーツの特徴と言えるかもしれません。
英国のスーツブランド
トレンドを意識せず長く愛用できる永遠の定番。日本で手に入りやすいものだけご紹介しています。
Huntsman(ハンツマン)
ヘンリープールと並ぶ英国の最高級スーツブランドです。映画「キングスマン」のモデルにもなったロンドンに拠点を構えるスーツ店。日本では伊勢丹でオーダーが可能です。オーダーメイドスーツの価格目安としては、30万円前後でしょうか。
Dunhill(ダンヒル)
出典:Dunhill
英国を代表する高級スーツブランドです。サッカー日本代表のオフィシャルスーツを手掛けていることでも有名ですね。
クラシックなスタイルが多いので大人の男性に支持されていますが、20代でも充分かっこよく着こなせると思います。
イギリスの代表的なブランドですが生地感はわりと柔らかくイタリアものに近いかも知れません。
本店でオーダーメイドすると50万~60万、ダンヒルの生地を使った仕立て屋さんであれば10万円前後です。
Paul Smith(ポール・スミス)
出典:Paul Smith
ポール・スミスのスーツは、英国伝統のクラシカルな装いの中に遊び心が加わった個性的なスタイルも多いのが特徴です。
ベーシックなものから、ちょっと個性的なものまで、しっかりと自分の雰囲気に合ったものを吟味したい場合はポール・スミスでしょうか。価格は7万円~15万円くらいです。
HACKETT LONDON(ハケットロンドン)
伝統的なスマートシルエットとかっちりとした肩のライン、シェイプの効いたウエストなど古き良き英国スタイルを守り抜く老舗のスーツブランドです。
長く愛用したいスーツをお探しならこちらでしょう。10万円~15万円ほど。カジュアル服も販売しています。
BURBERRY(バーバリー)
バーバリーのスーツはウール、モヘア、カシミア、軽量なコットン、シルクリネンなど多彩なバリエーションがあり、英国の工場のほか、イタリアでも生地を生産しています。
クラシカルでスマート、形状記憶など、手入れのしやすさや長く愛用できる普遍性を持ち合わせています。価格は20万円前後からです。
まとめ
いかがでしたか。現在では英国式・イタリア式スーツは、素材に限っては境界線があいまいな部分があります。
ただ「シャープに、タイトに着こなす英国式」「オシャレにリラックスして楽しむイタリア式」と、自分に合ったスタイルを選ぶと一目置かれそうです。
さらにバランスの取れたもの重視なら、お国柄として製品に「丸み」があるフランス式、テーパードや腰回りのシェイプが少なく日本人に馴染みやすいアメリカ式など、自分の好みを探りながら選ぶと、よりスーツが楽しくなるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。ご参考になれば幸いです。