メリット・デメリットから、起こりうる変化、徹夜後の対処法まで
メリットとデメリットを簡単に整理してみる
◆メリット
- 慣れると勉強量、作業量が圧倒的に増える
- 気分がハイになる(ランナーズハイ理論)
- 達成感、してやった感を味わえる
- 綺麗な朝焼けが見れる
◆デメリット
- 翌日使い物にならなくなる
- 肌荒れ、体調不良など身体に悪い影響が出る
- 学習などの場合は集中力の低下、記憶力の低下が起こる
- 日常的に不安定な睡眠になるリスクがある
先に結論から言います。場合によりますが徹夜は良くありません笑。
徹夜をしていると酔っぱらった状態と同じになる
通常、人間は活動時間が12時間を超えたあたりで作業能率が低下してくると言われています。さらに17時間以上起きていると血中アルコール濃度が0.05%と同じレベルにまで能率が低下していきます。酒気帯び運転で捕まってしまう数値です。正常な判断ができず、記憶力が低下してきます。
また、血圧が10mmHGも上がり、十分な睡眠を取るまで下がりません。体温や身体と健康に必要なホルモンの分泌も抑制されます。この抑制は、体内の機能や精神状態に大きな影響を及ぼします。
また、「マイクロスリープ現象」という状態が頻繁に起こります。これは数秒から数十秒単位の短い睡眠のことで、起きているつもりでも意識が飛んでいたりするのです。日中でもたまーにありますよね?
また、食欲を刺激するグレリンという物質が分泌され、食欲が出てきます。間接的に太りやすくなります。
徹夜が続くと
上にも書いたように、身体のあちこちで様々な変化が現れます。また、寝起きが悪く、朝起きられない「睡眠相後退症候群」、睡眠時間が途切れ途切れになる「不規則型睡眠覚醒パターン」というハッキリとした症状が現れます。その他精神疾患なども発症しやすくなるため、なるべく避けたいところです。精神面から来る不眠、徹夜という症状も、現代では増加していますよね。
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どうしても徹夜しないといけない場合
日中のうちに仮眠を取っておく
できることなら、事前に仮眠を取ってから望みたいですね。15分寝るのを2時間おきに4回繰り返すのが効果的なようです。
90分ごとに目を閉じる(寝ないように注意!)
レム睡眠とノンレム睡眠が切り替わる90分というタイミングで、少し目を閉じてみると脳が切り替わり集中力が持続されます。
10分ほどの仮眠(完全に寝ないように注意!)
15分以上寝てしまうと、睡眠と同じ脳波が出てそのまま落ちてしまうか、翌日寝付きにくくなります(徹夜の後に寝る場合。)
目薬、洗顔
冷たい刺激が交感神経を刺激し、スッキリします。
誰かと話す
近くに人がいるか、起きている人がいたら電話するなど、話をしてみましょう。脳が活性化されて寝落ちしにくくなります。特に同じ境遇の人とはより仲良くなれそうですね。
カフェインの取り方を工夫する
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摂りすぎると効果がなくなる
カフェインは「睡眠促進物質」の働きをブロックして眠気を抑えてくれますが、コーヒーで言うと1日4杯以上飲むと効果がなくなります(個人差アリ)。
その日何杯か飲んでしまっていては、眠気を抑える効果は期待できません。カフェインの入った栄養ドリンクなども同様です。摂取しすぎると効果がなくなります。目安は1日400mg程度と言われていますが、適量は個人にもよるので自分と相談してみましょう。
摂取のしすぎは副作用もあるので注意が必要です。
カフェインの効果時間
眠気を抑えるカフェインには、年齢に応じて効力の減少時間が変わります。若くて1,2時間、年齢を重ねるごとに効果時間は長くなり、50代~60代以上の方は3時間から4時間持続します。摂取量の制限があるので、効果時間内は取らないようにして徹夜を乗り切りましょう!
また、カフェインの目覚まし効果は現れるのに30分ほどかかります。すぐに眠くなくなった!と感じるのはいわゆるプラシーボ効果です。
コーヒーを飲むタイミングに「ワザ」を
カフェインの効果が現れる30分を意識し、例えばコーヒーの場合、若い人でしたら摂取後1時間~1時間半後に2杯目を飲めば、1杯目の効果がなくなる頃に2杯目の効果が出てきます。仮眠の場合も、寝る15分前にカフェインをとり、15分間仮眠したあと起きたころに効いてくるというワザが使えます。
ただ時間や量に個人差があるので、自分だけの「カフェイン・テク」を模索してみるのもよいかもしれません。
徹夜した後はどうしたらいい?
できるだけ早い時間に、2~3時間ほど睡眠をとる
すぐに寝て起きて活動すれば、その日の夜の睡眠に影響しにくくなります。なお、身体が覚醒してしまうので、寝るまではサングラスやカーテンで光をなるべく避けること。
できるだけいつもと同じ睡眠パターンに
徹夜後の1日は、夜早く寝るのももちろんいいことですが、普段から規則正しい生活をしている人の場合、無理やり早めに寝なくてもいいかも知れません。
徹夜後に寝る暇なんてないよ!という方は、「軽い運動」「タンパク質をとる」「太陽光か電灯を浴びる」という行為を行ってください。どれも覚醒物質のセロトニンを発生させ、睡眠を促す物質が減少します。
眠りの質を上げるには
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徹夜後にしっかり体調を整えたい、という方は以下を試してみてください。
- 寝る前に携帯電話やテレビ、モニターをなるべく見ない
- 安眠効果のあるホットミルクやバナナなどを取り入れてみる
- お酒を避ける
徹夜の限界に挑戦した男
徹夜の限界に挑戦したお馬鹿で最高な過去の偉人(異人)をご紹介します。
ピーター・トリップ
1959年、アメリカのラジオ局DJである彼は、小児麻痺患者への募金を集めるという目的で不眠企画を開始。ガラス張りのラジオブースでしゃべり続けました。200時間以上の不眠を行い、妄想と幻覚の世界に苦しみました(寝たら回復)。
ランディ・ガードナー
1964年、アメリカの高校生は264時間の不眠を達成。11日間起きているんですよ?想像しただけで眠くなってきます。。。彼は記憶障害や極度のストレス、友人の励ましや学者やメディアの立ち合いのもと記録を達成しました。
途中から人や自分が発する言葉がほとんどわからなくなったそうです。記録は2007年にイギリスの男性により塗り替えられました。なお、達成後は半日の睡眠を取り、徐々に睡眠時間を減らしていったことで通常の状態に戻ったようです。
人生のイベントとしての徹夜ライフを!
仕事、恋愛、病気、趣味etc…徹夜が持つ背景や人間模様は人それぞれです。
ポジティブでもネガティブな理由でも、美しい朝日や達成感、やってしまった感とともに噛み締めたいですね。ただ、人間にとって一番大事なのは何より「身体」です。
徹夜の皆様、どうかご自愛を。