オシャレは足元からと言いますが…
スーツ、カジュアル両面でよく語られる「オシャレは足元から」という話、本当でしょうか?
もちろん、クラブ、キャバクラ、レストラン、ホテルにアパレル店といった接客業においてはもちろんのことながら、ビジネスシーンでも、その人に対して最初のおおよその評価をする要素のひとつとして、靴と時計が見られているという話はよく語られます。
しかしながら、潤沢な予算がある方はさておき、多くのビジネスパーソンがそんなに高価な靴を何足も揃えることはできないことも事実です。
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スーツやシャツ、ネクタイ、シューズなど、消耗を抑えながら適度に休ませ、手入れをしながら使うことが求められ、それぞれのアイテムを複数用意しておく必要があります。
本記事ではビジネスアイテム購入のポイントと、シューズの基礎、リーズナブルで高品質なビジネスシューズをご紹介していきます。
特に、これからサラリーマンになる方、スーツを着たお仕事をされる方に向けた内容です。参考になれば幸いです。
揃えるべきビジネスアイテムの「優先度」を考えてみましょう
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ビジネスアイテムの「目に触れる頻度の順位」
それぞれのビジネスアイテムを、人の目に触れる頻度に分類してみます。
(高)常に人の目に触れる
外出や打ち合わせ、社内業務、業務後の諸活動において、常に人の目に触れると考えた方が良いアイテムです。
- スーツ
- シャツ
- ネクタイ
- 時計
(中)人の目に触れる機会が多い
打ち合わせ中や外食時など、座っていることも多いことから、見られる機会が①よりは少ないアイテムです。
- シューズ
- ベルト
(低)目に触れる機会が少ない
上記①および②に比べると、比較的目に触れる機会が少ない、または、一部のシチュエーションで目に触れるアイテムです。
- コート
- 鞄
- 名刺入れ
- 手帳(カバー)
- 筆記用具など
相手の視線はまず上半身から
上記の順位は、高価なものや良いものを買った方が良いという優先順位ではありません。
ただ、なるべく予算を抑えたい場合、まずは1.(高)のスーツ、シャツ、ネクタイ、時計をしっかり準備することが合理的といえるでしょう。
なぜなら、人は、基本的に顔を見てコミュニケーションをとりますし、他人を見る際も、全体のバランスに意識がいきつつも、自然と上半身、特に顔に視線が行きます。
考え方としては、靴が最も重要なのではなく、靴は重要ではあるが、身体の上に行くにつれて、より抜かりのない着こなし、身だしなみが求められるということです。更に大事なのは表情と髪型です。
ビジネスアイテムは「消耗」するものが多い
それぞれのビジネスアイテムごとに、消耗しやすいかどうかを確認してみましょう。
シャツ
何度も着用すると、襟元の汚れが取れにくくなったり、生地が毛羽立ってきます。
ネクタイ
使用しているうちに、ノットの部分や剣先などがほつれたり、くたびれてしまいます。
スーツ
以前のように、パンツの裾をクッションさせるのはもはや過去のトレンドで、やや短めにしてスマートなラインを形成すること、ジャケットは肩幅がしっかりと合っていて動きやすいことが前提となります。
生地感もその人の印象を左右する要素であるため、クリーニングは数回着用したらしっかり行う等、定期的にメンテナンスすることはもちろんですが、生地や裾の状態等、消耗の度合いをチェックするように心がけましょう。
ベルト
体型が変わらない限りは同じホールで着用するため、傷みやすくこちらも消耗品といえるでしょう。
時計・靴
上記のビジネスアイテムたちと比較して、時計と靴は、手入れをしっかりすることで、長く身に付ける事ができます。時計には手入れ用品がありますし、靴もソールを張り替えられるものであれば、表面をしっかりと手入れすれば、何年も何十年も保つことが可能です。
その意味で、靴は質の良いものを買って、しっかりと手入れを行い、長く使用するのがおすすめですが、無理して高いものを買う必要はありません。
自分の状況や収入の変化に応じて、徐々にビジネスアイテムをランクアップして行った方が、達成感もありますし、手に入れた靴への愛着もどんどん増すのではないでしょうか。
具体的に、何を、どのくらい用意すれば消耗を抑えられるか
ビジネスアイテムの消耗品度合いは、手入れによって異なりますが、大まかにはこうなります。
※右に行くほど長く使えるビジネスアイテムです。
それぞれのアイテムの消耗を抑えるためには、以下を目安に揃えたいところです。
- シャツ:5枚
- ネクタイ:5つ
- ベルト:3本 ※茶、黒、控え
- スーツ:3着
- シューズ:3足 ※茶、黒、控え
また、その中でも1つずつ「勝負アイテム」があると良いでしょう。スーツは安くてもいいのでオーダーした方がベターです。理想は5万円~6万円のオーダースーツに、4万円~5万円くらいのシューズを合わせておけば、まずどこへ行っても問題ないでしょう。
スーツは、百貨店が季節ごとに比較的リーズナブルな価格で行っている「オーダーフェア」が、生地感も良いものが揃っているため、おすすめです。
靴の製法を理解して、質の良い靴を長く使いましょう
スーツよりも流行りすたりの少ない革靴は、長く使えることが多いことから、お金をかけて慎重に選びたいアイテムです。革靴の基礎知識をこちらでご紹介いたします。
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製法というとちょっと面倒な印象もありますが、大きく分けて4つ、ザックリ覚えておけばOKです。
※詳しい説明はここでは省きますので、以下の説明でより興味を持たれた方はこちらの記事をご覧ください。
- グッドイヤーウェルト(手縫い)&マッケイ式(手縫い)
- グッドイヤーウェルト(機械式)
- マッケイ製法(機械)
- セメント製法
グッドイヤーウェルト
靴の本体部分とソールを直接縫い付けておらず、コバと呼ばれる部品でそれらを繋ぎ合わせています。そのため、ソール交換がし易く、長く愛用できます。また、靴内部の素材が自分の足型に変形し、履くほどに馴染みやすく、耐久性があります。一方で、部品が多いので他の製法よりも重さが少しあることも特徴です。
マッケイ
靴の本体部分とソールが、直接縫い付けてあるため、購入時でも履きやすく、また軽いのですが、他の製法と比較して水が内部に侵入しやすいという点もあります。
セメント
縫い付けそのものがなく、靴本体とソールを、接着剤で着けていることから、耐久性が他の製法よりも劣ることが多く、またソール交換ができない場合が多いですが、悪天候に強い特徴を持っています。
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いかがでしょうか。1.から4.までのうち、上のものほど価格が高くなる傾向がありますが、高いからといって、全ての条件において良いという訳でもありません。
グッドイヤーは馴染ませるのに時間がかかりますが一生モノとしての価値を見出せます。対してマッケイは活動的なビジネスマンにとって、軽さがアドバンテージになります。これに関しては購入される方の好みの問題でしょう。
※セメントは、長期的な目線で考えれば、あまりここではおすすめはしません。
ソールを張り替えられるグッドイヤー、マッケイをしっかり手入れしながら長く履くことで、相手に与える印象は変わってくるのではないでしょうか。
ちなみにソールはラバー製や合成ゴムが安価で滑りにくく、主流ではありますが、高価なものはソールまで革を使っています。革の場合は滑りやすく「雨の日に滑るビジネスマンはお金持ち」なんてシャレもあるほどです。
というわけで、これらを踏まえた上で、次のページでコストパフォーマンスの高いブランドをご紹介していきましょう。