ストリートブランドの定番から、次世代のニューブランドまでピックアップ!
30代、40代男性を熱狂させた裏原ブランドや、ストリートの定番ブランド、「ラグジュアリーストリート、ネオストリート」と呼ばれる近年新たに登場し話題を集めるジャンルまで、ストリートブランドを一挙ご紹介しています。
本来ストリートファッションとは「雑誌やメディア主導ではない、自然発生的に生まれるトレンド」を意味するのですが、ここでは「カジュアルかつスポーティーな仕様」、「エッジの効いたデザイン」、「海外ヒップホップアーティストやそれらのファン層、スケーターなどを中心に好まれるブランド」などをベースにご紹介していきます。
4つのジャンルに分けてご紹介
■1.2017年大注目!新鋭ストリートブランド
■2.ラグジュアリーストリート、ネオストリートブランド
■3.王道ストリートブランド
■4.そのほかのストリートブランド
の順にご紹介していきます。
1.2017年大注目!新鋭ストリートブランド
まずはこれからストリートブランドを購入する前に知っておきたい、ここ1年ほどで話題になっているブランドから。次に来るのはこのブランド!?
HERON PRESTON(ヘロン・プレストン)
カニエ・ウエストのYEEZYや、OFF-WHITEのヴァージルアブローとともにクリエイティブに関わってきたアメリカ人のデザイナー、DJ、アーティストであるヘロン・プレストンが2017年から展開するファッションブランド。
近年のファッションスタイルの中でも人気の「ラグジュアリーとストリートの融合」をテーマに掲げ、ウェアの生産は現在抜群の知名度を誇るOFF-WHITEやMARCELO BURLONと同じイタリアの企業へ依頼。ベースとなるのはワークウェアのシルエットやデザイン。
LANDLORD NEW YORK(ランドロード ニューヨーク)
日本人デザイナーの川西遼平がニューヨークの美術大学やロンドンのセントラル・セント・マーチンズのメンバーらと共にブルックリンで展開するウェアブランド。
ミリタリーテイストをベースに、ワークウェアやスポーツの要素を取り入れたコレクションは2016年のニューヨークファッションウィークでコレクションを初披露。これが注目を浴び、国内では2017年秋冬から本格的に展開されると言われている注目株。
A-COLD-WALL*(ア コールド ウォール)
5歳からデザイン活動をしていたというイギリス人のサミュエル・ロスが2015年秋から展開しているストリートウェアブランド。ロンドンの労働者階級として育ったデザイナーの背景から、かすれた色合いのベージュやセメントをイメージしたグレーなど、ダークトーンのウェアデザイン。
工事現場で実際に使われている素材なども服作りに取り入れるなど、建築や建設構造をデザイン手法に取り入れたクリエーションが注目を浴び、2016年にはランウェイでのショーも初開催。ますます注目度が拡大していきそうです。
M+RC NOIR(マルシェノア)
パリの会員制ブティック「MRCNOIR」のオリジナルレーベルとして販売をスタートし、ウィズ・カリファやヤング・サグといった人気ラッパーがこぞって身に着けたことで人気が拡大したストリートウェアブランド。
カラフルな迷彩や色の切り返し、ディティールに拘ったトラックジャケットやボンバージャケットが人気を呼び、リテーラーが非常に少ないこともあり数多くのアイテムがプレミア化。日本ではLHPやNUBIAN、福岡のCHERRYなどの限られたショップで購入できるものの、多くの商品は発売後瞬く間に完売してしまう。
VLONE(ヴィーロン)
ニューヨークのヒップホップ集団「エイサップモブ」に所属するエイサップ バリというアーティストが中心となり展開されているアパレルブランド。ブランド名のVLONEは「ALONE(孤独)」のAを逆さにしているところから。
Tシャツやフーディーなど限られた商品が世界各地のセレクトショップなどでポップアップ限定商品として展開されることで飢餓感が煽られプレミア化。日本の「フラグメントデザイン」や「NIKE」とのコラボレーションアイテムも展開されるなど定期的にストリートに話題を提供してくれるブランド。
オンラインストアやリテーラーでの定期的な商品展開は行っておらず、新作のリリース以外はオークションサイトなどで手に入れるしかないのが現状。
NOAH(ノア)
シュプリームのクリエイターの一人だったブレンドン・バベンジンが2000年初頭にスタートしたストリートウェアブランド。しばらくTシャツなど数点程度のリリースが続いたものの、ここ数年で展開を拡大。
サーフ、スケーターといったバックグラウンドを背景に、オーガニックな素材や丈夫で長年愛用できる耐久性のあるウェアを展開。アウターやスニーカーなどラインナップも豊富になり、2015年にニューヨークに旗艦店をオープン、有名セレクトショップ「ドーバーストリートマーケット」でポップアップも開かれるなど話題性も拡大中。
KITH NYC(キース ニューヨークシティ)
熱狂的なスニーカーコレクターとしても知られるロニー・ファイグがニューヨークにオープンしたスニーカーショップのオリジナルレーベル。
もともとナイキやアシックスとコラボレーションを行いオリジナルスニーカーをリリースすることで話題だったが、2016年に発表されたアパレルコレクションの人気が高まり、完売も相次ぐように。OFF-WHITEやFEAR OF GODをはじめ、スポーツブランドとのコラボレーションシューズやアパレルも豊富に展開されている。
PALACE(パレス)
2009年にイギリス・ロンドンで創設されたスケーターブランド。三角形「Tri-ferg」のロゴが世界的に知名度があり、これまでメジャーだったスラッシャー、ステュシー、シュプリームといった有名スケーターブランドの人気を脅かす勢いで急成長中。
90年代を思い起こさせるクラシカルな色遣いや、センス溢れるグラフィックもののアイテムに定評があるほか、アディダス・オリジナルスともコラボレーションアイテムをリリースし更に知名度が拡大。
トレーナーやパーカーなどトップス類はほとんど1万円台と価格設定もリーズナブルで、現在入手がしづらいホットなブランドのひとつ。
OAMC(オーエーエムシー)
ストリートブランドの王者と言われるSUPREME(シュプリーム)の元ヘッドデザイナーであるルクー・メイヤーが2014年に設立したパリを拠点とするメンズウェアブランド。
ワークウェアをベースに機能的・合理的にデザインされたウェアは最新の技術を使った素材を使用し、ポルトガル、フランス、日本など生産地を絞りクオリティを最優先に考えてプロダクトをリリース。設立わずか2,3年とは思えないハイクオリティなウェアが話題となっています。今後の展開に非常に注目が集まるブランド。
doublet(ダブレット)
日本人デザイナーの井野将之が2012年に設立し、2013年春夏からコレクションを展開しているスケーター、クラブ、レイブなどのカルチャーをイメージした服作りを行うブランド。現在日本のファッションブランドの中では最も注目度が高いと言えるかも。
ベーシックなファッションアイテムにワッペンやパッチワークを施し、どこか唐突感のある「違和感のある日常着」がテーマ。コレクションブランド的なインパクトと日常遣いのしやすさのバランスがよく、一見派手なアイテムも意外とコーディネートがしやすい。
非常に丁寧に刺繍されたハイクオリティなスカジャンや、コーディネートに取り入れやすいロングTシャツなどが人気。
2.ラグジュアリー系ストリート、ネオストリートブランド
ここからは近年世界的なファッショントレンドと言われている「ラグジュアリーストリート」、「ネオストリート」と呼ばれるブランドをピックアップしていきます。
VETMENTS(ヴェトモン)
2014年にグルジア人のデムナ・ヴァザリアをはじめとする元マルタン・マルジェラのデザインチームが立ち上げ、展開と同時に世界的に話題をさらったラグジュアリーブランド。
ベーシックなウェアを解体・再構築する手法や、極端なビッグシルエット、Tシャツやパーカーに施された印象的なグラフィックなどはすべてが新しく、「世界のファッショントレンドをひっくり返した」とも言われるほど瞬く間にストリートに浸透。現在その動向が最も注目されるブランドのひとつであることは間違いないですね。
リーバイスやチャンピオンなど専業ブランドとコラボレーションしたコレクションも話題に。毎シーズンテーマやアプローチ法を変え全く新しいコレクションを展開する。
FIAR OF GOD(フィア・オブ・ゴッド)
アパレルデザインや服飾学校への入学歴のない、Jerry Lorenzo (ジェリー・ロレンゾ)という人物が手掛ける2012年カリフォルニアでスタートしたストリートファッションブランド。
独特のサイジングやレイヤードはカニエ・ウエストやジャスティンビーバーなどのセレブがこぞってスタイリングに取り入れ、ロング丈インナーのレイヤードや裾ジップ付きのスリムパンツ、バントTシャツなど、ストリートファッションのトレンドの多くを生み出した。
洋楽PVやライブでのアーティスト着用、インスタグラムによるスタイリングの拡散などでも大きな話題に。特にダメージデニムは定価10万円に対し一時30万円以上の値が付くなどプレミア化。
YEEZY(イージー)
世界的なアーティストであるKanye West(カニエ・ウエスト)とadidas Originals(アディダス オリジナルス)が協業で展開するスニーカー及びアパレルライン。ウェアはカーキやベージュなどアースカラーを多用したオーバーサイズのシルエット&無地でダメージやユーズド感を施したもので、これまでブランドロゴや派手なプリントなどが主流だったストリートファッションに新たな流れをもたらした。
スニーカー「YEEZY BOOST」は定価3万円前後が10万円~20万円で取引されるなど、ここ数年では例をみないほどの熱狂的な人気に。
GIVENCHY (ジバンシイ)
「エレガンス」、「スポーティー」、「アメリカン」、「ロック」 などをキーワードにストリート感あるラグジュアリーウェアをリリースし熱狂的なファンを生み出したデザイナー、Riccardo Tisci (リカルド・ティッシ) によるGIVENCHY (ジバンシイ)。
モードファッションにスポーツの要素を入れ、現在のラグジュアリーストリートの基となっているのはこのブランドだと言われている。
RICK OWENS(リック・オウエンス)
アメリカのアンダーグラウンドなクラブカルチャーや神話などにインスピレーションを受けてコレクションが展開される、アメリカ発の世界的モードブランド。
ブラックやグレー、ホワイトなどモノトーンカラーで展開されるドレープの効いたレザージャケットや、スニーカーなどがストリートシーンでよく活用されるアイテム。
首元までジップが伸びるレザージャケットやハーフパンツとレギンスのレイヤード、ボリューミーなハイカットスニーカーなどは数多くのブランドに影響を与えたとされ、全身をリック・オウエンスで統一するなどコアなファンも非常に多いことで知られる。
アディダスとのコラボレーションアイテムも展開され、コーディネートに取り入れやすいスニーカーは特に人気の商品。
OFF-WHITE(オフ・ホワイト)
カニエ・ウエストのクリエイティブ・ディレクターなどを経て独立した、DJやコンサルティングといった肩書も持つデザイナー、ヴァージル・アブローが手掛ける2014年スタートのラグジュアリーストリートブランド。
設立1年程度で瞬く間に世界的地位を確立しトップブランドにまで昇りつめた勢いはすさまじく、コピー商品や類似商品が氾濫していることでも知られている。
ウェアの多くには「バーティカルストライプ」と呼ばれる縦の斜線や「WHITE」といった文字が入り、すぐにこのブランドだとわかるのが特徴だが、ここ数シーズンはあえてこういったモチーフを減らし、新しいデザインの商品も続々登場しており、デザイナーとしての引き出しの多さも評価されているほか、「モンクレール」、「アンブロ」、「KITH」など他ブランドとのコラボレーションも積極的。
Gosha Rubchinskiy(ゴーシャ ルブチンスキー)
ファッション界では珍しいロシア発のファッションブランドとして世界的人気を博している、2015年パリコレクションデビューのGosha Rubchinskiy(ゴーシャ ルブチンスキー)。
ユーススタイルやスケータースタイルをベースに、カラフルでどこかレトロな印象のウェアが揃う。旧共産主義国家らしい、どこか退廃的で暗い雰囲気を纏っていると評されることも。デザイナーズブランドの中では比較的価格が安く手に入れやすい。
スポーツジャケット ¥49,500 セーター¥56,000
MARCELO BURLON(マルセロ・バーロン)
アルゼンチン出身でDJ、映画プロデューサー、哲学者、コンサルタントといった多彩な肩書を持つ同名のデザイナーが手掛けるイタリア・ミラノを拠点とするファッションブランド。2012年にリリースされたTシャツが大ヒットし、その後パンツやアウターなどトータルでウェアを展開。
クラブカルチャーをベースとした、強めなグラフィックや加工が施されたウェアが特徴。一方で良くも悪くも数年間テイストが変わらなかったため、2017年秋冬コレクションからはグラフィックやパターンに変化が見られる。
スマートフォンケースやソックスといった小物類も人気。
スマホケース ¥6,739 ソックス ¥6,739
AMIRI(アミリ)
2013年スタートのロサンゼルスのウェアブランド。グランジやパンクといったデザイナーが幼少時代親しんできた音楽をベースとしたウェアを展開。
ショットガンで打ち込んだかのようなダメージ加工や、ハードに破れたスーパースキニーデニムなどが人気で、ジャスティンビーバーやカニエ・ウエストのほか、韓流スターやEXILEまでアーティストがこぞってスタイリングに取り入れる注目ブランド。デニムで定価15万円ほどで、コレクションブランド級の価格帯。
AMBUSH(アンブッシュ)
アーティストVERBALと、妻であるYOONが2008年にスタートしたアクセサリーおよびメンズ・ウィメンズのアパレルブランド。
トレンドにとらわれない自由な発想のアクセサリーはカスタムオーダーを受け付け、カニエ・ウェストやJay-Z、ビッグ・ショーン等の大物アーティスト達もこぞって愛用。2名のデザイナーのファッション感度の高さもあり、海外メディアでインタビューや特集が組まれるなど近年人気が拡大中。2016年には渋谷に初となる直営店をオープンした。
リングやブレスレットは1万円台より展開。
アウターは10万円前後から。
C.E/ CAV EMPT(シーイー/キャブエンプト)
イタリア人の有名グラフィックデザイナー、スケートシングと日本人のディレクターが共同で手掛ける日本のストリートブランド。
ブランド名はアメリカのSF作家「フィリップ・K・ディック」の著書内のタトゥーから引用。グラフィカルなプリントTシャツや意外性のある色の切り返しを多用したトップス、USED加工が施されたアウターなど、オリジナリティあふれるデザインが国内外ともに人気。
こだわりを感じるウェアながらカットソーは1万円以下、アウターやトップスも2万円~4万円と、比較的購入しやすい価格帯も良心的。
ASTRID ANDERSEN(アストリッド・アンデルセン)
スポーツ、ヒップホップ、ストリートとラグジュアリーの融合をメインテーマとする、ロンドンコレクション発のラグジュアリーブランド。
デンマーク出身のデザイナーが2010年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートの修士課程を卒業し、同年にイタリアヴォーグの2010年注目のタレントに選出。ストリートファッション界では珍しい女性デザイナーのウェアは国内外のアーティストや芸能人の着用も度々確認できる。
相撲など日本文化にインスピレーションを受けたコレクションも発表している。
ボンバージャケット 69,000円 カットソー 27,500円
FACETASM(ファセッタズム)
現在最も勢いに乗る日本のファッションブランドのひとつ。
2007年にコムデギャルソンやアンダーカバーなどを取引先とするテキスタイル会社に勤めていた落合宏理によって設立され、アルマーニの事業支援を受けてミラノでコレクションを開催、オーバーサイズのストリートらしいシルエットと、独特の色使いや異素材の組み合わせが特徴。近年六本木と表参道に店舗もオープンするなど知名度急拡大中。
MA-1 66,960 円 デニムスウェット 37,800 円
遊び心があり、どこかポップな印象のウェアはコーディネートに1アイテム取り入れるだけでアクセントになりそう。
424(フォートゥーフォー)
ロサンゼルスにあるアパレルショップ「Four Two Four on Fairfax」のオリジナルレーベルとして展開し、トレンドをベースにオリジナリティあふれるアレンジを加えたウェアが世界的に話題になったブランド。
コート、デニム、ジャケットなどの袖に「424」と刺繍されたバンドが付属しているのが特徴。シンプルな中にアクセントの効いたウェアはコーディネートもしやすく、デザイナーであるギレルモ・アンドラーデのスタイリッシュなファッションも注目されている。